BEEKEEPER:Noriko Mizuno

「蜂」、20歳のときに刺された記憶が今もよみがえります。怖かった!痛かった!はれた!左腕が足の太もものように腫れました。刺された瞬間、ビリッと全身に電気が走りました。刺された場所は家の中。

当時、一人暮らしをしていた静岡県浜松市の平屋の家は、小さいけれど、趣のある日本家屋で、網戸がついてない小窓があり、2匹の蜂が毎日、寝室の部屋を横切って、違う窓から出ていきます。

不思議に入ってくる時間帯は決まっていました。私は怖くて、初めはたたみにうつぶせに、慣れてくると仰向けに寝そべって、下から眺めていました。二匹の蜂がくっついて、仲良さそうに、ブーンと音を出しながら、ゆっくりゆっくり飛んでいるのが印象的でした。

それが2~3週間くらい続いた頃、家の中に蜂が入ってくるのはやっぱりよくないと思い立ち、窓をしめ、飛ぶルートが代わるよう、追い出すことに決めました。

数日前から準備し、腹を決めて決行しました。もし外に出て行かないときは、袋に閉じ込めて外に逃がそうと、米袋を片手に、そして、ほうきのようなもので追い払ったとき、蜂は飛ぶ方向を変え自分に向かってきて、払っても払っても執拗に立ち向かってくる。

あっち行って、と窓のほうに誘導すれば、ちょうやはえのように、自然に外に出て行くと甘く考えていた私は、反撃してくる蜂の、頭の良さや、人間と同じような「感情」があることを知りました。

攻撃してくるのは一匹で、刺した後、もう一匹も窓の外に飛んでいき、それから二度と見かけることはありませんでした。

その後、蜂は刺すと死ぬことを知りました。あの時、蜂は命がけだった、何かを守ろうとしているように感じた、本当に申し訳なかった、仲良く2匹で飛んでいたのに、夫婦だったのだろうか、子どもを産んで、巣をつくろうとしていたのかもしれない、蜂は私に何も危害を加えなかった、ただ楽しそうに飛んでいて、私は友達だったかもしれないのに。

20歳だった自分にとって、忘れられない出来事になりました。

今回、beeing プロジェクトに参加したいと思った理由は、今度は蜂と仲良くできたら、蜂は怖いものという思い込みを捨てて、そのためには蜂を知りたい、と思ったからです。また、蜂名人の室田さんが自分と同じ鯖江なので、親近感も沸きました。

中学科学部と協同のプロジェクトとのことで、心も体も急成長する活発な中学生の皆さん、顧問の先生もおられ、自分に何ができるのか、させていただけるのかはわかりませんが、楽しく活動できたらと思います。

具体的には、蜂の生態を知った上で、自分たち人間と共生できるような活動を、ミツバチに感謝しながら蜂蜜を集めたり、蜂が存在することの有り難さや大切さ、尊さを知り、蜂蜜づくりを通して、ミツバチと共生できる暮らしがいかに豊かな暮らしであるかを伝えられたらいいなと思います。

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