スズメバチ

梅とマルベリーの枝の選定をしました。
風が強くて、突然、通り雨があったりと
不安定な日でした。

さむいよー
ちょっとひと休み。

どこにいこうかな。
さびしいな。

夏に、ブンブンと勢いよく
飛び回るスズメバチとは違う
弱気なスズメバチでした。

BEEKEEPER:Tomohiro Shinoda

いつもの時間、
いつもの通り道

いつもと同じ毎日の中で、ふといつもと違う景色に気付きました。
土手を脇に小さな小箱が8つほどの場所が目に留まり、
ほかの畑とは違うなんだか違和感を感じたのを覚えています。

その後、何度も眺めその場所が養蜂場であることがわかりました。
蜂が蜜を集め、子孫を養い、その過程である蜜をいただく。
なんともありがたく、エネルギーの源であることを実感として感じました。

蜂はいつも私の近くにいて、
思い出すとさまざまな記憶がよみがえります。

小学生ごろには、7つほど上の人と遊んでいて、
近くの蜂の巣から蜂の子をとって食べるという経験もしました。
その後、別の日にズボンをはくと激痛が走り、急いでズボンを
脱ぐと二匹もズボンに紛れていて、
私は2か所刺される経験もしました。

すぐに、罰があったのかと思いました。
しかし、その後、蜜蜂は刺すと死んでしまうことも知り、
悪いことをしてしまったと振り返りました。ちゃんとズボンを
確認していれば死なずに済んだかもしれない、
あわてて攻撃して死ぬことはなかったのかもしれないと。
その後も、蜂に手を出さなければ攻撃してこないことをしり、
落ち着いてあわてず行動することを心がけています。

小さな命であるが、大きな社会を守ろうと
それぞれがしっかりと役割を果たし、
世代を変え生き続けていきます。
天敵にも臆さず、皆で攻撃する様は
なんとも勇ましさすら感じます。

私は看護師をしており、1人1人が
自分らしく生きられる社会であることを
常々思っています。

生きるとはなんなのか、
死ぬとはなんなのか、
自分の役割とはなんなのか、

そんな普段では口にできないようなことを
蜂を通して語ることが、自分の生き方を
見つめるきっけになるのではないかと感じています。

そして、人は感覚にあふれています。
見て、触って、聴いて、味わって、
嗅いでと様々です。それらの感覚を使うことで
今を生きていることが実感できます。この五感を
しっかりと毎日使うことが人本来の力を呼び覚まし、
さらには癒しになると考えています。

幸い、日本には素敵な四季があり、
四季折々の花から蜜を集め、味や匂い、色味などで
私たちを楽しませてくれる蜜蜂は、
癒しの存在とも言えそうです。

BEEKEEPER:Noriko Mizuno

「蜂」、20歳のときに刺された記憶が今もよみがえります。怖かった!痛かった!はれた!左腕が足の太もものように腫れました。刺された瞬間、ビリッと全身に電気が走りました。刺された場所は家の中。

当時、一人暮らしをしていた静岡県浜松市の平屋の家は、小さいけれど、趣のある日本家屋で、網戸がついてない小窓があり、2匹の蜂が毎日、寝室の部屋を横切って、違う窓から出ていきます。

不思議に入ってくる時間帯は決まっていました。私は怖くて、初めはたたみにうつぶせに、慣れてくると仰向けに寝そべって、下から眺めていました。二匹の蜂がくっついて、仲良さそうに、ブーンと音を出しながら、ゆっくりゆっくり飛んでいるのが印象的でした。

それが2~3週間くらい続いた頃、家の中に蜂が入ってくるのはやっぱりよくないと思い立ち、窓をしめ、飛ぶルートが代わるよう、追い出すことに決めました。

数日前から準備し、腹を決めて決行しました。もし外に出て行かないときは、袋に閉じ込めて外に逃がそうと、米袋を片手に、そして、ほうきのようなもので追い払ったとき、蜂は飛ぶ方向を変え自分に向かってきて、払っても払っても執拗に立ち向かってくる。

あっち行って、と窓のほうに誘導すれば、ちょうやはえのように、自然に外に出て行くと甘く考えていた私は、反撃してくる蜂の、頭の良さや、人間と同じような「感情」があることを知りました。

攻撃してくるのは一匹で、刺した後、もう一匹も窓の外に飛んでいき、それから二度と見かけることはありませんでした。

その後、蜂は刺すと死ぬことを知りました。あの時、蜂は命がけだった、何かを守ろうとしているように感じた、本当に申し訳なかった、仲良く2匹で飛んでいたのに、夫婦だったのだろうか、子どもを産んで、巣をつくろうとしていたのかもしれない、蜂は私に何も危害を加えなかった、ただ楽しそうに飛んでいて、私は友達だったかもしれないのに。

20歳だった自分にとって、忘れられない出来事になりました。

今回、beeing プロジェクトに参加したいと思った理由は、今度は蜂と仲良くできたら、蜂は怖いものという思い込みを捨てて、そのためには蜂を知りたい、と思ったからです。また、蜂名人の室田さんが自分と同じ鯖江なので、親近感も沸きました。

中学科学部と協同のプロジェクトとのことで、心も体も急成長する活発な中学生の皆さん、顧問の先生もおられ、自分に何ができるのか、させていただけるのかはわかりませんが、楽しく活動できたらと思います。

具体的には、蜂の生態を知った上で、自分たち人間と共生できるような活動を、ミツバチに感謝しながら蜂蜜を集めたり、蜂が存在することの有り難さや大切さ、尊さを知り、蜂蜜づくりを通して、ミツバチと共生できる暮らしがいかに豊かな暮らしであるかを伝えられたらいいなと思います。

BEEKEEPER:kinopee(キノピー)

BEEKEEPERのkinopee(キノピー)です。福井大学教育学部附属義務教育学校の科学部顧問をさせていただいております。

子どもたちと地域の大人の方々との協働探究プロジェクト「BEEHAPPY!」子どもたちと一緒に私たち大人も探究し、真の学びとは何かを問い続けます。

本校の校訓は「自主協同(じしゅきょうどう)」子どもたちが自律的かつ有機的に自分の学びを創造し、他者と協働しながら実践コミュティを形成していくそのような学校文化を子どもたち自身が実感し、その意義と価値を後輩へ伝え、世代継承しているのが本校、福井大学教育学部附属義務教育学校です。

そんな子どもたちの学びの姿は「蜜蜂」たちとも重なります。巣が拡大されてくると、他律的でなく自律的に分蜂したり、8の字ダンスをして仲間に蜜源を知らせたり、蜂球をつくり天敵から仲間を守るなど、一匹一匹が自律的かつ協働的に活動します。

また採蜜の際に植物たちの受粉を担うなど、他の生物ともコミュニティを形成しながら生きています。現代社会における生き方を問い直させられます。

「蜜蜂」「養蜂」「蜂蜜」など、子どもたち同様、自分自身にとっても専門外、未知なる分野です。科学部の子どもたちと一緒に探究していきながら、いろんな方々と繋がり学ぶ楽しさをみんなで共有、実感し、子どもたちの未来や、福井の学びの文化の発展に貢献していきたいと思います。

蜂達人:Tadao Murota

ミツバチ達人の室田さんから、蜂と共に生きてきた人生を語っていただきました。蜂といっても、様々な種類の蜂がいて、蜘蛛を餌にする蜂、他の生き物に寄生する蜂、そして花の蜜をとるミツバチ。室田さんは、蜂の目線から鉢の住居、外的、巣、エサを眺め、そして観察を続けてこられました。

「偶然はない。必ず意味がある。」
研究の基本とは、
・観察
・記録
・疑問
・そして疑問に対して調べる

調べた結果からまた観察と継続して
行う探究心が必要だと、静かに熱く
お話をして頂きました。
室田さんの内に秘めた情熱が
中学生にも伝わっているようでした。

BEEKEEPER:Takayo Takeuchi

自分は生きているけど、普段は命について考えることはあまりないことに気づきました。その人は生きているって前提で話していることがほとんど。もうすぐ、この人は亡くなるんだって実感するとき、死は身近なものなのだと落ち込みます。

当たり前のように、心臓は動いているし、呼吸もしています。そんなに必死になって生きているのか?と考えると、そうかもしれないけど、そうではないかもしれない。そんな矛盾があります。

日々、自分にいろんな言い訳をしながら生きているような感覚になることもあります。

そのような感覚を持っている中で、自分の子孫を残すこと、女王蜂を守ること、はちみつを作ること、自分と仲間を守ろうと必死になること。。

生き物の強さを感じます。

自然の中で生きている命に触れ、蜂を育てていくという共通の目的で、いろんな人と繋がっていきたいです。

生きていること、命について考えていきたいです。

BEEKEEPER:Yuri Taniyama

私は虫は嫌いです。ハチは刺される、怖いというイメージがわきます。ミツバチや養蜂には今の所あまり興味はありません。でもハチミツ大好きです。

あらゆる生物との共生について考えることは、人生において考える課題であると思います。

同じ日本人でも、オレンジにいる人達もこんなに考え方が違う。病気を持つ人の気持ちは、なってみないと本当の意味で分からない。生まれつき障がいを持つ人の感覚なんて想像もつかない。


なぜ戦争は起きるのか。なくならないのか。

安心して自分らしく暮らせるまちとはどんなまちか。

違う人種、動物、植物、虫

嫌悪感持つものに対して排除しようとする・できる力を持つ人間が、排除ではなく共生の道をさぐるとどんな答えが待っているのだろう。

姿形も違う、生き方が全く違う、刺される、怖いミツバチとどう付き合い一緒に生きていくかを考えることで探ってみたいです。

BEEKEEPER:Katsutoshi Kinoshita


初めまして。BEEKEEPER見習いの木下克俊です。ミツバチに触れることで、空を見上げることが多くなりました。

私は子供のころ、屋根の瓦の上に寝そべって空を見るのが好きでした。布団を屋根の上に干していたのですが、私も布団と一緒に日光浴をしながら、「自分ってなんだろう。今ここにいるのは私。それってどういうこと?」と雲を眺めていました。

学生生活はそうやって
空を見ながら自分について
悶々としていました。

「今、ここにいるのは私」
と気づいたのは、10代後半に
過ごした寺での生活。

寺のスケジュールは
朝5時すぎに起床して、掃除して
お経読んで掃除しての生活。

境内で、はいてもはいても現れる落ち葉。
湯気にまみれてヤカンに茶葉を入れた時の香り。
腹から声をあげてのお経。
座りすぎて、立ち膝になりながらの正座。
腹がへること。
そして一日が終わる夜、
布団に入り、部屋の天井をみながら、
「今日も終わり。私。幸せ。」
と眠りにつきました。

夜明け前、夜空に向かって
星の光がまぶしい。
走りながら夜空と一緒に
本堂に向かう。

「今、ここにいるのは私。」
そんな「気づき」を寺の生活で
学びました。

ミツバチと生きることで
関係性に気づく。
女王蜂がいて
働き蜂、雄蜂がいるミツバチ社会。
半径4kmの世界を飛び回り
花の蜜をとる。外の世界との関係。

私がいて家族がいて地域がある社会を
ブンブンとミツバチは飛び回る。

ミツバチを見ることで
生命の不思議をしる。
生かされていることをしる。
共に生きていることをしる。

自然を見ること
人間を考えること
BEEHAPPY

屋上養蜂、福岡天神みつばち見学

2017年6月30日屋上養蜂見学 福岡天神みつばち

今日は刺されますよー

天気が悪い時は、ミツバチも機嫌が悪いですから。現れた、三越百貨店のバイヤーの松尾さんは、真っ白なジャケットをまとった好青年。

僕もね。最初は、ミツバチは好きじゃなかったんですけど、だんだん好きになってきました。

えっ?

好きじゃないのになんで?と聞いて見ると私の担当の商品がありまして、その中にハチミツの店舗であるラベイユさまがありまして、私が部長なので、リーダーということになりました。

今年の春から天神みつばちプロジェクトは始まりました。最初は5箱10万匹のミツバチを五群で始めて、(三ヶ月後の)今は、15万匹。だいたい5日に一回はミツバチの様子を観察します。ダニが発生していないか?女王蜂を育てようとしていないか?卵は順調に生まれているか?蜜の糖度はどれくらいか?

様子を観察することで、ミツバチの環境を整えることが「Beekeeping」養蜂家の役割なのだとわかりました。そして、その環境とは、巣箱にとどまらず、ミツバチの行動範囲である半径3~4キロ。天気、街路樹、近所の人、といった地域の環境について思いを巡らすことになります。

ミツバチに関わるようになって、福岡の街を歩いている時に、蜜源はあるのか?この花はミツバチがくるかな?と気がつくとミツバチのことが気になっていて、今では好きになりました。と松尾さん。

天神みつばちプロジェクトは、ハチミツの商品を販売しているラヴェイユと三越の共同プロジェクト。ラべイユの渡部さんは、もともと三越地下のハチミツ販売員だったのだが、声をかけられ、Beekeeping Staffに。もともとミツバチに興味があり、近くの養蜂家に通っていたのだという。

Beekeeping Staff 渡部さんはハニー色のつなぎを着て、黙々とミツバチの世話をしていました。ニュージーランドに日本人の養蜂家家族が移住していることを話をすると、ニュージーランドは「マヌカハニー」が有名ですね。それとミツバチとハチミツの文化がありますね。フランスやイタリアもそうです。ヨーロッパでBeekeepingとは尊敬される存在だということです。

すでに二回、蜜を採取して、約100キロほどの蜜が取れたという。7月までで蜜を取るのは終了して、その後はミツバチの箱を来年の春まで、養蜂家に預けるとのこと。

養蜂を始めるにあたっては、行政に登録が必要であり、養蜂協会のような組織に登録が必要ということです。勝手に箱を置いて、ミツバチが飛び回って近隣の人に迷惑をかけたり、ミツバチが蜜を取りに飛んでいくと、もし隣の庭でもやっていた場合、蜜の取り合いになってしまいます。何事も落ち着いて話をすることですね。

福岡天神みつばちプロジェクト
http://www.m.iwataya-mitsukoshi.co.jp/real/news/tenjin_honey/

はちみつ専門店ラベイユ
http://www.labeille.jp