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「考える」ことを楽しむ@西田幾多郎哲学館



 
「考える」ことを楽しむ
哲学入門講座2019に参加しました。
 
講師の塩瀬さんは、
ロボットと人間の対話は
なぜうまくいかないのか?
 
と研究していくうちに、
そもそも対話とは?
コミュニケーションとは何か?
という問題にたどり着く。
 

伝えることと伝わること。

自分から出ている情報が正しだけでは
伝えることはできるが、伝わらない。
 

人間とロボットの対話の研究で
人間:昨日、大谷選手、ヒット打った?
ロボット:いいえ。打ちませんでした。
人間:昨日、大谷選手、投げた?
ロボット:いいえ。投げませんでした。
人間:昨日、試合あった?
ロボット:いいえ。ありませんでした。
(大谷選手はバッターと投手の二刀流)
 
とロボットと人間の対話。

ロボットは、聞きたいことの真意を
読んでくれることはしない。
聞かれたことに対して答えるだけ。
 
正確に伝えることが
相手に伝わることではないということ。
正確に伝えても伝わることにはならない。

正確なコミュニケーションよりも
大切なのは、言い直したり、
修正したり相手の知っている言葉と
価値観で伝わることがある。

塩瀬さんの知り合いの沖縄の人から水墨画は落書きにしか見えないと言われたそうです。その沖縄の知り合いと東北を数日ドライブした時にずっと、雪景色だったそうです。その景色を見ていて「あー。」白い雪景色の中にも色があること。白から黒のグラデーションの色の世界。それに気づいた時に水墨画に興味が持てるようになった。というエピソードを紹介してくれました。
 
また、ロボットの研究で、舞妓さんの動きをモーションキャプチャーで動きを点と線で記録しても、それでロボットが踊れるようにはならないと。「舞ふる雪を扇で拾うように」という、「わざ言葉」で、師と弟子は伝承していく。
 
文化的風土を理解することが
そこで生きている人の生き方
メンタルモデルを
理解することにつながる。
 
会場からの質問で、
禅の世界で、
師匠が弟子が悟ったか
どうかどうやって、
確認をするのか?
 
それに対して塩瀬さんは
自分の言葉が相手に
伝わったのかは確認できない。
対話は不完全。
だと。
 
人間は伝わったはず。
で終わってしまう。
対話の不完全性。
アウフベーヘンである。
と答えていました。

aufheben,アウフヘーベン
・あるものをそのものとしては否定するが、契機として保存し、より高い段階で活かすこと。
・矛盾する諸要素を、対立と闘争の過程を通じて発展的に統一すること。
という二つの意味を有する。ドイツ語の aufheben には、廃棄する・否定するという意味と保存する・高めるという二様の意味があり、ヘーゲルはこの言葉を用いて弁証法的発展を説明した(ヘーゲル弁証法
このように、弁証法では、否定を発展の契機としてとらえており、のちに弁証法的唯物論(Wikipediaより引用)

対話、そのものが不完全と
認識、気づきがあれば、
 
伝える。伝わるという関係性を
超えて、対話という出会いを通じて
高い段階を目指すことができる!
そんな道すじがみえた、
「考える」ことを楽しむ
哲学入門講座でした。
 
【講師】塩瀬隆之
(京都大学総合博物館准教授)
-コミュニケーションを面白くする工学者-
大学院時代は西田幾多郎のシステム工学的解釈の研究にも従事。専門はコミュニケーションデザイン。NHKのEテレ「カガクノミカタ」の番組制作にも関わるなど、多方面で活躍する。
 
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