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逆子の体験を通して

初めて妊娠が分かった時、右も左もわからない中、「助産院での自然な出産をしたい」とそれだけは強く心に思いました。しかし、助産院で産めるのか？それとも病院で産むのか？最初から最後まで、迷走を続けた妊娠期間でした。

先に結論から申しますと、結局は助産院での出産は叶わず病院の分娩台の上での出産でした。助産院での出産が出来ないと言われ落ち込んだこともありましたが、「どんな形であれ元気に産まれてきてくれればそれでいい！」と覚悟を持って出産に臨めたのは、約１ヶ月半逆子で悩んだ経験があったからこそだと今では思っています。逆子で悩んでいるお母さんたちの励みに少しでもなってくれればと思います。

お腹の子が逆子とわかったのは３０週の検診の時でした。その前の検診で貧血の状態がひどく、このままだと助産院では厳しいと言われていました。今回の検診では数値が少し上がっていて、この調子で上がれば希望が見えるかもと喜んだ矢先の判明でした。振り返ってみると原因は色々なことが重なったせいだと思われます。急に気温が下がり体を冷やしてしまった、貧血症状がひどく仕事に不安を生じてきた、助産院での出産が難しいといわれ落ち込んだ、などなど・・・

周りの人たちには逆子なんてみんななるもの。すぐ直るから大丈夫と言われ、最初は私も悠長にかまえていました。１週間、２週間・・・直ったかも！と毎回期待してエコーをみるものの、右か左か向きが変わっているだけで相変わらず頭は上にありました。助産院の先生に、病院で産むことも考えていってくださいと言われ、ますます落ち込みました。逆子体操をやったり、鍼灸院に通ったり、陶板浴に通ったりと言われたことは色々試してみました。それでもお腹の子は頑固に上を向き続け、１ヶ月が過ぎたころ、妊娠前と変わらず仕事を続けていた私は産休に入りました。お休みになったことで、ウォーキングをしたり、マタニティヨガにいったり、自分に余裕ができてきて、お腹の子とゆっくり向き合う時間が増えました。その頃には帝王切開の日にちが決められても、落ち込まず冷静に受けとめることができるようになっていました。わが子が元気に動いていることに感謝し、どのような形であれ、ただただ無事に産まれてきて会うことができればいいとだけ願うようになりました。そして３５週の検診。とうとう逆子がなおっていたのです！

後になって思えばですが、仕事中はよくお腹が張ることがありました。しかしそれが普通だと思っていたのです。休みに入って初めて、こんなにも張らないものだと知りました。知らず知らずのうちに体が緊張していてお腹の子は苦しい思いをしていたのかもしれません。それでも周りに迷惑はかけられないと仕事を続ける私に逆子になることで教えてくれたのでしょう。「もっと自分と向き合いなさい」と。お腹の子を通して自分を見つめ直すことで、自分の変なこだわりやちっぽけなプライドを取り去ることができ、改めて旦那さんをはじめ、家族、友人、私に関わってくれたみんなに感謝しました。

逆子も治り、あとは助産院で出産するのみ！と安心しきっていた私にお腹の子は最後まで課題をつきつけてきました。ツメが甘い私に喝を入れるためですね（笑）最終的に貧血の数字が悪化したことと、予想以上に大きく育ってくれたおかげで、帝王切開の可能性も再び出てきたので、大事をとって病院での出産になりました。不安をかかえつつでしが、先生も助産師さんもびっくりの順調な出産で、波乱万丈な私の妊娠期は終わりました。

元気にこの世に生まれてきてくれたわが子に感謝し、これから母としてのわが人生に向き合っていきたいと思っています。つたない文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

木下先生にはマタニティヨガで本当にお世話になりました。他の妊婦さんたちとお話して不安を共有したりアドバイスをもらったり、ヨガを通してお腹の子と会話したり、リラックス法を学んだりと、マタニティヨガに通って本当によかったなぁと感じています。もし次に子供が授かることがあれば、もっと早いうちからお世話になろうと心に決めております。これからもどうぞよろしくお願いします。

山﨑尚子