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コラム

マタニティーヨーガ:子供が障害を持って生まれてきたらどうしよう

2017/12/13 / pregnancy

 

先日、マタニティヨーガクラスで、お産を来月に控えたAさんが不安に思っていることを話してくださいました。それは子供が障害を持って生まれてきたらどうしよう。というものでした。生まれて来る子供が五体満足でありますように。というのは、おそらくすべての妊婦さんが願うことでしょう。ヨーガでは、幸せは感覚器官の対象物にあるのではなく内心の中にある、と教えています。そういう意味では、肉体が五体満足であろうと、なかろうと問題ではない、ということになります。実際、五体満足でも不幸せな人たちがいますしハンデキャップを持たれていて幸せな方もたくさんいます。

もっと平たく言えば、例えば若くて超美人でスタイルも抜群な女子がみな幸せかというとそうではなく、平凡なルックスでも中年になっても、幸せは心の持ちようである。というのは、私が最近しみじみ思うことです(笑)

 

それはさておき
A
さんにはご家族に障害を持った人がいて
ご自分は幼少期から障害を持った家族のために
障害児教育の道に進みたいと、

将来の目標をはっきり持たれ
現在小学校の特別学級の

先生として働かれています。
スバラシイ!

ところが実際ご自分が子供を持つ段になると
生まれてくる子供に

障害があったらどうしよう・・・・
と人一倍不安に思われているようなのです。

他にも、8か月前に出産され、

とってもかわいい男の子の
母になられたCさんは、

妊娠後期にこんなことを言われていました。
何度も流産を繰り返して、やっと子供に恵まれた。

喜びもつかの間つわりがひどく外出も
ままならない妊娠期を過ごし悲観的になり
生まれてくる子供が障害を持っていたらどうしよう、
という不安がどんどん大きくなっていった。

生まれてからも
産後うつになりはしないかと、
不安で仕方がない。

あるマタニティヨーガの本に
『生まれてくる子供に万が一障害があっても
マタニティヨーガをしていたら受け入れられる』
というようなことが書かれてあって、

マタニティヨーガをしてみようと思った。
ということを、勇気を出してご主人に相談したら

「マタニティヨーガしてないと、
自分の子供が受け入れられないのか?
どんな子供でも自分の子は自分の子だよ!」
との力強い答えに惚れ直した・・・と。


私自身のときはどうだったかなあ・・・・
つわりもなく、順調に楽天的にハッピーな
マタニティライフを過ごしていました。
??????ほんとにそうだっけ?
のど元過ぎれば熱さを忘れる、
とはよく言ったもので
いやいや、
私もかなり心配性の妊婦でした。



まず、前回の子宮外妊娠の記憶も新ただったので
安定期までは、なにか起こりはしないかと心配で
血液検査では何か異常が出はしないかと心配で
超音波見ながらドクターが赤ちゃんの手の指を

数えたとき数が少なくはないか?!と心配で
エイズ検査では陽性が出はしまいかと心配で!


もちろん、生まれてくる子供が

五体満足かどうかも心配でしたよ!

今まですっかり忘れていましたが、
私は 『祈る妊婦』 でした。

不安がよぎるたびに
おなかの子供に繋がっているありったけの
祖先に手を合わせてお祈りをしていました。

『どうが、どうか、私のおなかの中の
 あなたたちの子孫をお守りください。
 私に無事この子を産ませてください。』

そして、友人に勧められた本の『安産五則』というのを
すらすら暗記できるほど唱えていました。

一、お産は自分の力でするのではありません。大自然の大きい力で、必ず無事に生ませていただく、きっと安らかに生ませていただく。すべてをこの偉大な力にお任せいたしましょう。
二、いつだろう、いつだろうと、待ちすぎていらいらしたり、気をもんだりいたしますまい。ちょうど良い時・良い所で生まれます。みなお任せして、落ち着いた心で暮らしましょう。
三、産気づいても、すべて自然に任せておりましょう。自分で生もうとりきんでみたりあわてたりいたしますまい。
四、女のほまれ、妻のほこりと、ちょうどスタートラインに立ったような引き締まった心で、何も考えず、何も思いますまい。
五、もし万一、心がきまらぬ時は、日ごろ信ずる神仏の御名をとなえ(心の中で)、また、わが母の名を一心に念じましょう。そこに偉大な力が現われて、いとも安らかに生まれてまいります。

 『無痛安産の書』丸山敏雄著


祖先に祈ったり
安産五則をとなえると不思議と不安が消えて、
きりりとした謙虚で落ち着いた

心が戻ってきました。

そして、お産とは、ほんとうに

安産五則のとおりなのでした。

A
さんの悩みがきっかけで、大切なことを
思い出させていただきました。

『祈り』はマタニティヨーガの
一番大切な要素かもしれません。