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コラム

motherhood:産前と産後をつなぐヨーガの役割を実感して

2018/03/23 /

 

昨年5月、母性のヨーガトレーニングコースを
福井でコーディネートし、翻訳・通訳を担当しました。
研修を提供する側と、受講者の橋渡しをさせていただきました。
沖縄母性のヨーガを2ヶ月後に控えたいま、私のこれまでの
母性の学びとこれからの課題について考えてみました。

 


〜その1

◇産前と産後をつなぐヨーガの役割を実感して

今から12年前沖縄、息子を出産した産婦人科で
マタニティヨーガの指導を始め、
2011年にオーストラリアでバースライトの研修を
受けて以来、産前産後のヨーガインストラクター
として活動しています。

沖縄から福井へと転居し6年が経ち、福井での足場が
ようやく固まりました。妊婦さんたちが出産を目標に
マタニティヨーガに参加され、出産を終えた
お母さんたちが赤ちゃんを連れてベビーヨーガクラス
に帰ってくる、赤ちゃんが歩く頃になると卒業される
という流れ。

そしてさらに次の妊娠で「久しぶり!」と戻って
来ていただける循環ができて、産前産後が
つながっている継続的なヨーガの役割を実感しています。

「出産」を終えた生徒さんから報告をいただくのですが
産むお母さんと生まれる赤ちゃんが一緒に誕生する様子
親子の関係性が妊娠中から始まっていることが、
ありありと綴られていました。

特に福井に来てからはベビーヨーガのクラスが
定着したので、慣れない育児に苦しむ「戸惑い顔」
のお母さんが、クラスで赤ちゃんとの向き合い方を学び
頼もしい「笑顔」のお母さんになって卒業されるという
場面に多く立ち会いました。

お母さんと赤ちゃんの間に何が起こるのか?
産前産後のヨーガにどんな秘密があるのか?

クラスの中で起こる奇跡に感動し、
そのような生徒さんと率直に話をするようになり、
分かって来たことがありました。

妊娠・出産という強烈な生命体験の中で気づいたことは
その後もお母さんの人生を支えて行くものに
なるのかもしれない。その気づきとは…

自分の中の「おそれ」に正面から気づくこと。
妊娠することは不安なことであり、
子どもを育てることは苦しみを伴うもの。

その「おそれ」を包む母性に気づくこと。
「おそれ」は母性に包まれて姿を変えて行くこと。
そのことに気づいたお母さんは自分のおそれを
肯定感で包み込み、おそれて泣いている赤ちゃんを
包んであげられるのだ。

クラスで起きる奇跡とは
このことでした。

福井という初めての土地で産前産後のヨーガの
拠点を構築すること、母性のヨーガトレーニング
コースを新しく日本でコーディネートすることは、
大きな木を育てるようなもので根気のいる活動です。

でもクラスで生徒さん達の母性の芽生えに
立ち会える感動が、いまの活動の栄養分
(エネルギー源)になっているように思います。

この活動を続けることが
私の役割だと思うようになりました。