column
コラム

motherhood:小さな幸せ

2018/04/25 / motherhood

 

2017年5月、マタニティヨーガ・お産のヨーガ・

産後のヨーガ・ベビーヨーガをひとつにまとめ、

Motherhood (マザーフッド:母性)の芽生えを体験し

学ぶことのできる5日間(30時間)のコースが

開催されました。

参加されたEriさんの

motherhoodのご紹介です。

 

*きっかけ
 
三人目の妊娠でマタニティヨーガに出会いました。怖い気持ちにも目を向け、痛みの中自然とヨーガを取り入れ、赤ちゃんの存在を感じながら一緒に乗り越えようとしたお産は、忘れられないものになりました。そして産後・ベビーヨーガを通して重ねた親子のコミュニケーションは、日々の関わりに生きていることを実感。 相手の反応を待ち、ともに考え、できることを見つける関わり、 これまで看護職として医療の現場で働いてきた私ですが、援助者としての姿勢をもう一度見つめなおしたいという思いもあり、研修に参加しました。
 
 
 
*研修を振り返ると
 
まだ小さかった子どもと離れての5日間、ヨーガの指導経験がないことでなど不安もありました。特に、実際にレッスンプランを考え、実習することは、かなり緊張しました。研修が始まってみると、上手くやろうと力むところ、評価を気にする自分に気づきました。また、母子の繋がりについて考えていくと、自身の子育て、特にヨーガに出会う前の長男長女との関わりや、自分の幼いころの母との関わりなどを自然と振り返り、喜びというよりは、もっとこうできていたら…、あの時こんな風にしてほしかった…と、後悔や後ろめたい思いがあふれてきて、苦しくなる瞬間もありました。
けれど、サリーの包み込むような雰囲気、ありのままを受容することの大切さ、受講生それぞれが感じていることに触れて、一緒にそこで学び、自然と素直になっていけた気がします。これまでの自分、出来なかった後悔も、頑張ってこられたことも、どちらも含めて、これでいいのかもしれないとなんだか安心していくような日々でした。
 
*研修を経て
 
研修を終えて、縁あって保健師として赤ちゃん訪問の仕事が始まりました。また、研修で学んだことをもとに、産後のお母さんと赤ちゃんを対象にしたヨーガクラスを始めました。 失敗に臆病な私が、変化を前向きにとらえてチャレンジしてこられたことには、自分でも正直驚いています。でも、それができたのは、自分が大事にしたいものを信じて、素直に流れに身を任せることができたのだと思います。
 
赤ちゃん訪問もヨーガクラスも、どちらも今、私にとって大切なフィールドです。 赤ちゃんが笑うようになって嬉しい、泣いてばかりでどうしたらいいのかわからない、体重の増え方が気になる、目の前の赤ちゃんよりも上の子の関わりに戸惑っている…など、赤ちゃんの経過や状況で皆さんおっしゃることは色々です。私も職業柄、悪いところを探し出し、評価し、指導するというような癖(資格としての技能というべきかもしれません)がありますが、今は、「これでいいのかな」「これでいいよね」と出会う親子とお互いに確かめ合い、出来ていないことよりも、今できていることやこれからやれることに目を向けるようになった気がします。その時、学んだヨーガの動きや呼吸、看護職としての経験・知識が活用できることがあります。やってみるかどうかはその人次第ですが、それもまた 良し、と力が抜けたのも、今までとは少し変わった自分です。
 


*家庭の方はというと…
 
おおらかな関わりができたらと母性に憧れを持ちつつも、やっぱり日常は毎日ドタバタです。 年の近い3人の子を目の前に、正直、目が行き届かいな、手が足りないなと思うことは多々あり、これまで両親にだいぶ助けてもらっていました。でも、どこかで「未熟な母でちゃんと子育てできていない自分」に苦しみ続けてきていたように思います。
 
研修後に思い切って、母とふたりで食事にいきました。立派な子育てには程遠いかもしれないけど、私はもう大丈夫だよ、と伝えました。母の評価を気にしてばかりの自分から卒業したいという想いになっていたからです。両親はその後、少し距離をもって見守ってくれています。 現実はかなりてんやわんやですが、だけど、これまでよりこれでいいんだと思えることが増えました。子どもたちが兄弟で助け合う場面に救われたり、主人の思い切った提案に任せて手放してみたり、我が家なりに家族のスタイルがちゃんと生まれているのだなぁと思えます。以前より家族ひとりひとりの力を信じられるようになったのかなと思います。
 
*今のわたしが思うこと
 
子どもの成長とともに初めて出会う課題や状況(大人びた言葉で反応してくることが増えた長男、お母さんじゃなきゃ嫌だとくっついて離れない長女、兄姉を真似てなんでも自分でやりたいお年頃の次男など…)の連続で、そのたびこれでいいのかな、大丈夫かなと不安になってハラハラしたり余裕をなくしたりすることも多々あり、ちょっとかっこ悪いのですが、それが私ですし、見方を変えてみると個性豊かな子どもたちと自由に自分を貫く主人との毎日は、ドタバタながらも沢山の幸せであふれているなぁと思います。 末っ子と過ごしたヨーガの日々やお産での気づき、母性のヨーガを学んだ5日間は私の自信になっています。それを思い返し、時々立ち止まって、力を抜いて小さな幸せを感じて積み上げていきたいです。